これはまだ、私が子供の頃のお話ではある
私は、朝目を覚ます
靴下をタンスから取り出そうと思うと
タンスの中に
人形が入っていた
表情は無い・・・
何だろうとは思うも、
その人形は口を動かすこともなく
私に語りかける
言葉が脳に入り込むように音が広がった
『あ』と言ってはいけない
子供心にちょっと恐いけど
そういうこともあるのだろう
という程度には理解した
ただ、『あ』という言葉を発しないというのもどうか?
神であれ悪魔であれ、妖怪であれ幽霊であれ
いずれにせよ
なんなんだよ、『あ』って!とは思った
ていうか、『あ』と言ったら何があるのか?が気になって止まらなくなり
だから、その場で『ああああああ』と言った
とてつもない勢いでその人形は怒り狂い
木材で私の頭を殴られる瞬間目を覚ました
たぶん、そういう夢を見たのでしょう
ただ不思議なことに、こんなどうしょうもない夢を
忘れずに未だに覚えていて
もっとイイ感じの夢って忘れるというのも
なんかどうにも不思議だよね