釣りのお話

スピンキャスト普及委員会委員長の釣りのお話

煮え切らない話

別に怖い話というわけではないのだが...
 
大学へと上京して間もない頃でした
(上京とはいっても厳密には千葉県市川市
 
 
 
初年度よりアパートを追い出され、どーしょーもない幕開けで
やむなく、住処を予備校時代の友達の所に住まわせて貰っていた後
社会人となり、社員寮に入ってしまうという
学生やりながら、社会人という訳の判らない身分でもあった。
 
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大学の仲間と遊ぶ?
そんなの無いに等しい...
 
 
 
 
そんな、日々の中で...
 
 
その仕事の帰り道に、いつも同じ方面へ向かう電車に乗り合わせる女性がいた。
そして毎度、同じ駅で降りる。
目には付く人だが、そんないちいち意識していられる余裕なんかない
 
まぁ、別にいいか... かんけーねw
たまにいる目立つ女...あ~よくありがちな人だ...
 
 
 
 
 
そんな、よく15秒のCMでもありそうな恋愛劇みたいなの期待させたかのような話は
そう転がっているもんじゃない
 
 
 
 
 
それよか生活が...
 
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洗濯機とアイロン
 
この時点で、既に3回引っ越しているだけあって、この2点さえあれば苦労なく生活できると断言しよう。
 
 
とまぁ、そういうことを言っている時点で、相当の荒んだ生活がご理解いただけると思う...
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんな生活でも多少は学生生活のなかにも友達はいた。
 
学生のときの友人の知り合いイカミという、何気に私にしつこい奴がいた
ぶっちゃけ、そいいつのことは知らんが、なぜかしつこい
 
うちに泊まっていい?なんて聞いてくるから
最初はホモかと思ったくらいで、
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実家は、東京の癖に市川の安アパートを借り
ビンボー生活のフリをしているのが、何か気に入らなかった...
 
こんな困った奴は少し遠ざけたい気持ち半分
遊びの無い学生生活に、少し楽しみもあっていいかなと思う気持ちも少々あった
 
 
彼は、本当は私の降りるひとつ先の駅で降りるんだが、
私に取り付こうとわざわざ私が降りる駅でおりやがる。
 
彼とは違い、私は本当に貧乏生活から脱出すべく仕事もしている立場だったんで、
早く寝させてくれって気持ちだけがある上に、
 
そんな帰宅時に家の前を通るもんだから『よってかせろ』と
俺の食料を勝手に食って帰りやがった。
ビンボーな振りしてるだけの癖に
私に慣れ親しんだつもりなのだろうが、迷惑この上ない...
 
 
 
 
そんな日々を送り...
 
 
 
 
ある体育の授業で...私には食料が無かった。
(なんだそりゃ)
 
体育と食料はまったく無縁だが...朝~晩まで何も食べていない私にはキツイ授業だ。
テニスか...そんなのサークルで仲良くやっている奴らだけでやらせりゃイイって
 
しかしもテストか...マシンから出た玉を打ち返すという単純なものだ
 
1球目...マシンから球が出る→フォアハンドで打つ→隣のマシンから出てきた玉にヒットする→球がテニス部の連中の誰かにヒット
 
2球目...マシンから玉が出る→バックハンドで打つ→マシンの球が出る所にぶち込みマシン故障
 
馬鹿な...信じがたい出来事が2球連続で起こってしまった...
こんな、やった事もないようなスポーツで、目立つ事になるとは...
 
 
ただ、私は大学では静かに生活していたかった...
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何らかの塊体育館にありそうな演台みたいな物の後ろで、
ギリギリ会社でもらった蒲焼せんべい2枚のうちの1枚だけをたべていると
 
 
あれ?どっかで見た女(゚д゚)??
そう、いつも同じ駅で降りる彼女が近くにいた...
こいつ同じ大学だったのか... 
 
 
彼女も私を見ていたのであった。
まぁ多少話し位するか位の気持ちはあったけど、彼女は結構人気者らしく仲間が多いようで...
...目が合ってしまった
 
 
『何やっているの?』
間違いなく私から声かけてません、向こうからかけてきたんだ
武士は喰わねど高楊枝といいますか...晩飯とは言えず
『お菓子をと...』
何にも会話なんてあるわけがない
いつも同じ駅で降りる話くらいはあったが、別段話題もなくw
ブラックバス釣りのお話なんてしたって、ベアリングお話したってどーしょーもないわけでw
盛り上がる可能性は微塵もないのはわかっているんでしないけどさ
こうも目立ってしまったわけで、声はかけたい気分だったのかも
名前くらいは聞いておくかと...ハル...
 
 
帰宅時もその頃からか、多少は話すようになった。
 
何故かイカミも一緒についてきやがった
 
3人仲良くとうよりは、俺は早く帰って明日の仕事を...
 
何か話を聞いているとイカミとハルは以前から知り合いのような話をした
まぁ、どーでもいいかとw
 
 
9月終りに近い頃...仕事も学校もソコソコ順調
そして、私の20歳の誕生日であった。
 
1年浪人した私は、大学1年生で、まぁよくありがちなロンリーバースデーだな...
たまの寂しい誕生日を祝おうかと有楽町にいってコッソリ吞んでみたいなんてw
イカミについてこられたら興ざめするし、誰にもそんな話などせず
ちょろっと、一人JR京葉線で、東京にむかっていたが...
 
何故かその電車にハルとその一味がいた。
そういえば、この前の体育で彼氏がいるような話は聞いていたわけで、学校では有名な話らしく
それよか、余りにもギリギリ過ぎる生活であるがゆえに、
恋愛がどうのなんていう発想などあるわけもない
『何処に行くの』と聞くので、『ちょっとお酒を吞んで雰囲気だけ味わおうかな?』なんて...とっても田舎からのおのぼりさん的発想丸出し
 
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こういう予定だった
 
相変わらずのリーダーシップを誇るハルとその仲間数名が、私についてきてしまった。
 
もとより大酒のみってわけじゃないから、適当にフラフラしてればというつもりが
盛り上がっていた。彼女もかなりのんで、荒れていた...まぁ彼氏への愚痴か...
そのほかの仲間は、私が彼女の近くにいるのが駄目らしく
私を遠ざけるのと、その仲間の一人が私にチューしたがる。
もう、おまいら勘弁してくれ(゚д゚lll)
 
結果的には...こう
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まぁ予定していた誕生日の雰囲気ではなくなったが、これはこれでいいかなって...
翌朝まで何故か吞んでて、流石に社員寮に入って数ヶ月でしたので、裕福とはいえないがお金はあったが使い切ってしまった。
 
 
 
翌日、仕事の帰り...私を彼女は駅で待っていた...
なんでじゃ?と思ったのだが、親に午前様で怒られたらしく
その親へ弁解して貰う為に私を待っていたのだった。
 
まぁそういうことなのであれば、私が親に謝るしかないだろうと思い向かった。
心配かけさせてしまってすまないと謝ったら、カレー食わせてくれたw
(本当は、おまいの娘らが勝手についてきやがったんだが...)
 
 
親からその彼氏のことも話された
なんだかゴルフ場のオーナーの息子なのか?
同じ大学だといわれたが、
よくは知らないw
 
女はある程度顔は知っていている程度なんだから、男の顔なんて興味があるわけがない
まぁ家族としてはその彼氏を大いに気に入っている様子なのは間違いなさそうだ
 
当時より、人の話は半分しか聞かない、文章は3分の1までしか読まない
そんな悪いクセのオンパレードだったがw
 
それよか、カレーが旨い...その食いっぷりで母が心配してか...
いつもどういう暮らしをしているのかと聞かれ
正直に答えた。アパートを追い出されたことも、相当の食糧難であることも、
風呂は次いつ入れるか分からないから、入れるときには必ず入ること
お金が無く食えないのではなく今は時間が無くて、食えないのだときちんとね
 
親から彼女への怒りがほぼ収まり、むしろ私の私生活の方が興味深々になってしまったわけで、両親とバカな話で盛り上がってしまった。
 
 
 
そして、その翌日...ハルが何故か私の家に来た...どんぶりにカボチャを入れて...
とても間に合わせ感たっぷりだったが、生き抜く為に必要な食料だ。
そのまま返すわけにもいかず、家に上げた。
帰りは遅いので自宅へ送る生活
そんな、ちょっとした妙な幸せを感じていた...が...
若い男女が数日でそれだけの生活をするわけが無く...
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ある日、イカミが私の家に来た...付き合いが悪いと...
 
ていうか、お前と付き合うって、まぁいい家に上げてやった...
最近仕事で疲れるから走って先に帰ることや、(矛盾はしていたけど)
まぁその吞みに行っていたときの話しくらいはしたが、
 
今度は、俺の唯一の栄養剤(ビタミンC)盗んでいきやがった。
その日、ハルは家に来なかった。
 
 
しかし、その翌日もイカミがきやがった。流石に連日は勘弁しろと断ったがなんだかんだで上がっていきやがった。
ハルも電話で呼んだから3人で...
 
(゚д゚)はぁ?
本当にハルとひとつの部屋で3人になってしまった。
 
俺の心の声
イカミとっとと一人で帰れ』
イカミは芋羊羹を取り出したハルにプレゼントだそうで...長々と家にいたがる
 
とにかく心の中では
イカミ帰れ!』
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帰れコール連発、明日も仕事あるし学校あるしで、早く寝かせて欲しいが本音
深夜12時になりやっと帰ったイカミ、ハルは私が送ろうと家を出たが、そのままハルの家に私はとまることになってしまった。
 
 
 
 
そして仕事→学校と順にこなしまた帰宅...ハルが家にきた^^
いつものようにちょっとしたお食事と色々した...すると...玄関に人影が...
 
 
 
沈黙の人影が...
どう考えてもイカミしかいない((((;゚;Д;゚;))))
 
とり急ぎ服を着て、彼を迎えた、彼は余り口をきかない
何か疑ってるな?
(正確には疑われるような行為はあった)
 
時間も時間だったし、色々したあとはハルも私も正直もう眠かった。
とりあえず二人で寝るから
 
イカミはテレビでも見てろと...ヤツ放置した。
 
ハルは私に隣の部屋で寝転がり一枚の布団で寝始めた
彼女は耳元でささやく...『いつも彼に私は見張られている...』
『恐らく前から、ここで会っているのをみられていたかも!?』
 
まじで!Σ(゚д゚lll)
 
 
イカミは、毎日のように、あなたに付いてくる振りをして、私を追いかけている。』
この駅で降りる理由付けの為に、私の仲間になろうとしていたのだということが理解できた。
『昨日も、家の前で見張っていたから来れなかった...』
 
『いつから?』
 
『あなたに会う以前からずっと...』
 
今で言う所のストーカーといえば一言で済むが...いったい何処から何処まで知っているのか...
 イカミは、彼女を好きだったのか...
 
 
そして、さっそく翌日だ...
 
大学で誰も私と口をきいてくれない...なんだそれと思ったが
 
見ず知らずの人から
『お前のことは、仲間だとは思えない』ときっぱり言われた
 
まぁもともと仲間がいたとは一度も思ったことはなかったが
あからさまに全くの初対面の人だ思える人に言われるとどう解釈したらよいやら...
 
なんだか正直わけわからん話になっていそうだ...
間違いのないのはひとつ
 
相当の糞野郎という事が語り継がれ証明されている
 
ハルはもう大学には来なかった...
本当は追いかけるべきだったのか...などと...
 
 
 
 
私はそのままにしてしまった。彼女の気持ちや考えなど聞くこともなく...そして会う事もなかった
 
 
そして、寝る時間が増えた幸せと思えるのと、えもいわれぬ退屈感という不幸を同時に襲ってきた
 
 
しかし、その日以来なのだが...
毎晩、寝ようとすると耳元で畳をバタバタと叩く音が...
 
両手で交互にすばやく叩いている音がするんだ。
言葉もなく、そしてその音を他の誰かが聞くこともなく...何かの意思だけは感じていた...
 
何度、頭で考えても、言葉が聞こえなければ答えは出ない事はわかっていた。
その行為や、言動に確かに矛盾があった.。心も体もいつの間にか彼女を求めていたのも本音の部分さ、人とは絶対こうだからこうしなければならないなどという決まりのない
遊びがおおい事実は小説より奇なりとはいいますが...
 
 
映画のようなエンドロールもなくそのまま時が流れ...
その耳元で叩く音も今はもうない...終わりがないのが終わりというのか...煮え切らない...